焼入れ硬さの測定
東大阪市立産業技術支援センターで包丁の硬さを測定してきました。
包丁は鋼に焼きを入れて硬くなっているので、食材を切る事ができます。
焼入れの検査に金属顕微鏡とロックウェル硬度計を使うのですが、当店のロックウェル硬度計が故障していたので、産業技術センターの硬度計を使わせてもらいました。
包丁は薄い鋼の焼き入れ硬さを見るので、本来はロックウェルより、マイクロビッカース硬さ試験機の方が正確に硬さを測定できます。また、マイクロビッカースの値をロックウェルの数値に換算できます。
マイクロビッカースで測定するために、包丁を細かく切って、試料を作ります。
黒い樹脂にはめ込み、断面を研磨します。
今回、検査したのは当店で焼入れしたsa1の切り付けとvg10 のペティナイフです。
参考のために他社で焼入れしたvg10 の三徳包丁も測定しました。
結果 HRC換算値
sa1 切り付け HRC65
vg10 ペティナイフ HRC62
vg10他社製 三徳包丁 HRC56
sa1 の硬度が思ったより高かったですが、きちんと焼きが入っています。
他社の三徳包丁はHRC56で少し低めですが、研ぎ易い包丁に仕上げているのだと思います。
同じ材質でも熱処理の方法で性格が変わってくるのが面白いところです。