包丁の荒研ぎ

三徳包丁の場合、焼入れが終わった状態では刃の部分でも厚みが2ミリ以上ある。

最終的に包丁の刃先は0.001ミリ程にするので、大きく削る必要がある。

まず、刃先を2ミリから0.3ミリ程の厚みにするのだが、この作業が荒研ぎで、直径1メートル程の回転砥石に冷却水を掛けながら研削する。

包丁を木の棒に釘で打ち付けて両手で持ち、回転砥石に押し付けて削る。削っている部分は見えないので、少し削って目視で確認するという作業を繰り返しながら慎重に削っていく。この荒研ぎの作業で包丁の大まかな形が決まる。厚すぎると後の作業が大変で、薄くしすぎると、包丁の形が崩れてしまう。峰から刃先にかけてテーパーを付けながら削る作業を手の感覚や研削する音、振動を感じながら進めていく。

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