工房への持ち込み研ぎの依頼

刃物工房が出来て5年ほど経つ。それまでは主に刃物研ぎの専用車でお客様のところまで出向いて研ぎ直しをする事が多かった。

工房が周知されるにつれて、持ち込みや郵送での研ぎの依頼や製作の仕事が増えて、徐々に工房での作業を優先していくようになり、出張範囲を狭くしたり、出張専門の後継者として、「白木工房」と「研ぎ処凛」を育成したりして、対応してきた。

ありがたい事に、二人共独立してそれぞれ研ぎ師として活躍している。

専用車は、発電機を動力源とするバフ用のレース台と荒研ぎ用の回転砥石が設置してある。

お客様のお店や、家の付近に車を止めて作業をして、研ぎ上がればすぐにお返しするので、とても便利なサービスである。

ただ、私は刃物の製造がしたいという思いが強かったので、本格的な製造設備がある工房を作ることにした。

工房が出来てから少しづつ製造の仕事をすることで、刃物に対する理解が進んだと思っている。

ハサミを修理で研ぐ時でも、製造の段階での調整のバラツキが原因で切れない物でも、どうすれば良くなるかを考えれるようになった。

包丁を研ぐときは、歪みや、厚みが原因で切れないものや、そもそもの焼入れが悪いものがあることに気づく。

また、ものすごく作りの良いハサミや、包丁にも多く出会う。自分が作る製品はまだこのレベルに達していないと思うこともある。まだまだわからない事は沢山あるが、修理の経験を通してより良い物を作りたいし、製造の経験を生かして、より良く切れる研ぎの修理をしたいと思う。

工房に持ち込んでいただければ、本格的に修理が出来ますので、よろしくお願い致します。