バリカン研磨
バリカンは上刃、下刃、カバー座金、押しバネ、止めボルト、止めナット、レールを組み立て構成されている。
上刃と下刃には15〜20程の小さな刃が並んでおり、お互いが精密にに接地して、スライドすることで、刃物として髪の毛や動物の被毛を切断する。
バリカンを繰り返し使用していると、刃のエッジ部分が摩耗したり、接地面の精度が狂ってしまう。
切断の対象となる細いものでは、プードルやビジョンフリーゼの被毛は20マイクロ程度と言われている。
つまり、上刃と下刃の接地の精度が20マイクロ以上狂うと、バリカンは切れなくなってしまう。
バリカンを研磨する時はこの20マイクロの調整を正確にしなければならない。
使用する砥石の面の精度が、研磨にそのまま影響するので、面直しが非常に重要になる。
何個か研磨するごとに、切れ味を確認し、砥石の面の精度を調整することが大切である。
また、上刃、下刃の研磨の仕上がりだけでなく、止めナットの締め付け加減や、レールのスライドの滑らかさが切れ味に影響する。
長年、バリカンを使用し研磨を繰り返していると、刃の部分の厚みが減るので、上刃に付属していてるレールが下刃に当たり、スムーズにスライドしなくなっているバリカンがある。
このような場合はレールも刃の厚みに合うように削り調整しなければならない。
また、押しバネもヘタってくるので、止めナットを締めて調整するか、交換する。